GUMKA工房記

模型の企画・設計と資料同人誌の販売をやっている「GUMKAミニチュア」の備忘録を兼ねたブログです。雨が降ると電車が止まるJR武蔵野線の新松戸と南流山駅の中間辺りに事務所はあります。近所に素材や塗料が揃う模型店がありません。最近、昔からやっている本屋が閉店しました。

カテゴリ: ベネリ・クワトロ

 昨年、モトグッチの名車や歴史的に重要なバイクを1/24スケールのミニカーで集められる「モトグッチ・コレクション」というシリーズをイタリアのアシェットが始めまして。そのシリーズに空冷四気筒250ccのモトグッチ254が加わりました。

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 実車はモトグッチのオリジナルではなく、ベネリからのOEM供給だったので、かつては継子扱いでしたが、最近、欧州では再評価されたこともあってか、まさかのシリーズ入りでオーナーとして感無量です。

今までプラモやミニカーはなかったので初の立体化でもあるので、これは是が非でも入手せねばと、海外オークションで購入し、本日、荷物が届きました。

 ワクワクしながら開封して、チェックしたら、タンク形状など微妙に似てない上に、御覧どおり塗装面もザラザラで泣いております。

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 発語障害と嚥下障害のリハビリに奮闘してた10月、誕生日だし、自分に御褒美で
モトグッチ254のマグカップを買いました。かつては継子扱いされていた実車も最近は欧州で再評価され、こうしてマグカップが出るまでになりました。
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 海外オークションにイギリス人が出品しており価格応談可だったので、相場価格で打診したら、端数程度しか値引きません。
 友達にブライアンというイギリス人がおりまして。
元駐香港イギリス軍人で、香港が中国に返還されると軍を辞めて日本企業の香港支店に就職し、その後、東京に転勤となります。
 最初は真面目に働いていましたが、男前だったのでモテまくり、すぐに不良外国人まっしぐら。あとは女性を転々と変えて、ヒモ暮らしを10年くらいやってた立派なクズ野郎でございます。

 彼はイギリスにいた頃、CB400LCの輸出型であるCB450SC(ナイトホーク450)に乗っていたので、CB400LCのオーナーズクラブがあれば加入しようと探しましたが、超不人気車種のCB400LCにオーナーズクラブなんぞあるはずもなく、「クラブがないなら、オーナーと知り合いたい」に変わり、共通の友人だった船橋市に住むWさんからの紹介で知り合いました
 同じバイクのオーナーだったうえ、香港の旨い店の話でも盛り上がり、すぐに意気投合。
CB450SC
CB450SC

 そんな彼が、イギリス人と交渉事で行き詰まったら「He has only straw in his head. 奴の頭の中には藁しか入ってない」って台詞を言って、上司や政治家を悪者にして話を進めろと教えてくれたので、
それを実践。

「今の総理大臣の頭の中には藁しか入っていなから円安が止まらんの。だから、この値段だと嬉しいわ(The current prime minister has only straw in his head. Japanese Yen will not stop weakening. So, I would be happy to pay this price. )」

とメールしたら「日本のキシダは藁が入っているだけいい。ボリス(ジョンソン)の後のリズ・トラスは藁すら入っていないんだぜ」と返信があって、見事に交渉成立でした。
映画「地獄の黙示録」でカーツ大佐も、この台詞を口にしてたんで、英語圏の定番フレーズなのかもしれません。
 ブライアンは同棲相手から結婚を迫られると、姿を消すを幾度となく繰り返していましたが、最後は、自分好みのアラフォー美人と巡り合って結婚し、現在、幸せに暮らしてます。ちなみに奥さんは彼の過去を全く知りません。


先日、ebayで落札した「モトグッチ254整備マニュアル」がイタリアより到着。

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 ワクワクしながらページを開くと、いきなり「言っとくけど、モトグッチ254はベネリ・クアトロと共に世界初の250㏄四気筒市販バイクなわけ。1970年代には未知の領域なのさ。だから、整備には約40点の専用工具と治具がいるんだわ。ちゃんと揃えてから作業を始めろや」とあって萎えまくり。

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モトグッチ254専用工具・治具一式揃いとか、現在、地球上に何セット残っているんですかね?

 ちなみにモトグッチ254の発売年は1977年。日本初の250㏄四気筒市販バイクは、1983年発売のスズキのGS250FWだから、6年も前に世に出ています。
 空冷OHCエンジンの
モトグッチ254に対して、GS250FWは水冷DOHCに進化し、信頼性も段違いでしたが、結局、空冷250㏄四気筒市販バイクは、国産4大メーカーは、どこも開発しなかったので、今でも唯一無二の存在となっています。

GS250FW

 昔、
ベネリ/モトグッチ254の情報が欲しくて、英国のベネリ・モトビ・クラブの会員だった頃、会誌に鉄パイプを切削&溶接して、ベネリ/モトグッチ254用工具を自作する記事がありました。
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「評判が良ければ連載」みたいな感じでしたが、反応がなかったのか、ライターが諦めたのか単発終了。今になって、ようやく、あの記事の重要性がわかりました。

 


  海外オークションのebayに長年、探していた「モトグッチ254整備マニュアル」が出品されていました。

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 以前、ベネリ・クアトロ用は持っていたのですが、レストアに協力してくれるというバイク店にベネリ254のフレーム、エンジンと一緒にお預けしたら、店が閉店してしまい、全てが戻ってこず。

 ただ、後からわかったのですが、ベネリ・クアトロ用整備マニュアルはキャブレターの油面など、いくつかの数字が誤植で間違っていて、信じて調整すると調子が悪くなるばかりで、土壺に嵌るという呪いのアイテムだったそうで、改訂されたベネリ254整備マニュアルか、モトグッチ254整備マニュアルを入手したほうがいいとイギリスのベネリ・モトビ愛好会のメンバーから教わりました。

 しかし海外オークションで何年も探しているのに、どちらも全然、出品されず。それが、ひょっこり出品されてて、値段も決して法外ではありません。

 問題は、イタリア在住の出品者が海外発送は不可と明記していたこと。海外オークションの代行業のセカイモンでなんとかなるかと調べたら、イタリアはサービス対象外ということでダメでした。

 仕方ないので、ダメ元で出品者に「日本人でモトグッチ254のオーナーだ。ベネリ・クアトロ用整備マニュアルを持っていたが、バイク店に貸したら持ち逃げされた。いつか、レストアしたいと思っている。今、出品中のモトグッチ254整備マニュアルだが海外発送不可という条件は読んだ。敢えて相談なんだが、日本に送ってもらえないか?」と証拠写真と共にメッセージしました。


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 翌日「こんな写真を見せられたら送るしかないだろう。送料はキッチリ請求するかならな」と返事が来ました。やったぞ!

 数年前にアメリカから部品カタログは入手してあるので、これは公道復帰に向けて大きな前進です。


 モトグッチ254を市川市にあった倉庫から、南流山の工房に運びました。トランスポーターはレプリカT360。そうなんです。輸送を助けてくれたのは日本で一番、ベネリ四気筒系(計6台)を所有しているエノさんでした。道中、ベネリ四気筒系の妄想話を二人で延々と(笑)

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「群馬県の某所にベネリ・クアトロを持っているバイク店があるので、レストアしたら二人で、その店まで254で自走ツーリングに行こうよ!」(←無謀の極み)

「まずオーナーズ・クラブの設立ですかね。エノさんが会長で私が会員第一号で」(←たぶん、会長・会員の二名のみ…)

「マッハの次は、1/12でベネリ・クアトロの模型を出してよ~」(←1000%自殺行為)

「CB400Fourのエンジンに換装できないかな?信頼性上がるぞ」(←無茶はイケませんね~)

まあ、人間、こうやって妄想話しているときが、一番楽しいんですよ

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レプリカT360の荷台に載るモトグッチ254。滅多に見られない奇跡の画像です!(←たぶん誰も喜ばない)かくして、バイクガレージに収まりました。なんて脈絡のないコレクション…

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榎本さん、どうもありがとうございました!ぼつぼつと直していきますかね…

 
 テールカウルの中に車載工具が残っていました。厚手のビニール製ケースの外側には、国産車のようにメーカー名などはありません。

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 中身はこんな感じ。内容的には、なかなかの充実度?


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 バイク本体はベネリからのOEMですが、工具にはMOTO GUZZIがモールドされています。時期的にV350イモラ辺りと同じ物でしょうか?これを見るとエンジンが並列四気筒でも、一応、モトグッチのバイクなんだなとは思います。

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 三年くらい前、モトグッチの某専門店に修理&点検の可否を問い合わせたら、「あれはベネリなんで」と見事に断られまして。そもそも整備マニュアルが提供されておらず、部品もイタリア本国のモトグッチにはないそうです。OEM元となったベネリ・クアトロは、どんな工具がセットされていたのか興味があるところです。

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