GUMKA工房記

模型の企画・設計と資料同人誌の販売をやっている「GUMKAミニチュア」の備忘録を兼ねたブログです。雨が降ると電車が止まるJR武蔵野線の新松戸と南流山駅の中間辺りに事務所はあります。近所に素材や塗料が揃う模型店がありません。最近、昔からやっている本屋が閉店しました。

カテゴリ: 1/12 富士重 ラビットS-1

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ハンドルやライトが付くフロント部の製作も進めています。

実物は、ペラペラの鉄板と鉄パイプで構成され、
正面板がパイプを包むように側面に回り込んでいるので、
正確に再現を考えたら、金属パイプとアルミ板が一番です。

でも、キットの箱を開けて、インストに

「パイプを切って、それにアルミ板を曲げて貼れ」

と書いてあったら、たぶん、みんな怒るだろうし、
そもそも、それでは強度が保てないので、
いろいろ悩みながら形にしています。

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先日、シートが出来上がったので、車体本体に載せて、
様子を見ていたとき気付きました。

「側面のスリット、長くない?」

やっぱりディテールは全体が仕上がった段階で付けないとダメですね。

と、いうわけで、削り取ってやり直し。
割と感じ良くできていたのに…仕方ないですね。

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前回のシート製作の続きです。だいたい形状が出たところで、
ビニールレザーのシワ再現とパイピングを加工します。

最初、いつもの調子で、ちょっと強めにシワを入れたのですが、
どうも、ビニールレザー特有の安っぽい感じが出ないので、
一旦、パテ埋めして、やや、浅めにしたところ、良い雰囲気になりました。

実物ではビニールのパイピングは、0,5mmの真鍮線を曲げて、再現しました。

最後に車体本体に載せて、様子を確認します。

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一番上の写真は、やはりmonchichiさんのコレクションである、
貴重なラビットS-25のシートです。S-1の後継車種ですが、
御覧のようにシートベースが木製で、そこに昔の事務椅子みたいな、
ペラペラのビニールレザーが貼られています。
良く言えば、質素で実用本位。悪く言えばチープで、
そこはかとなく、昭和の香りが漂います。
終戦後、間もない時代だから仕方ないんですけどね。

S-1では、フロント部の内側にあった登録書類入れが、
盗難されるという理由から、写真のようにシート裏に移動します。
しかし、シート裏の材質が木だったため、今度は雨が降ると水を吸って、
登録書類が湿気でボロボロになったり、インクが滲んで読めない、
という別の問題がおきたそうです。今聞くと、笑い話ですが、
当時は笑えない出来事だったんでしょうね。

原型は、まず、2mmのプラ版を積層します。
実物はシートの中央が膨らんでいるので、
1/35スケールのプラモの軍用車輌から、シート部品を接着し、
周囲をエポパテで埋めて、盛り上がりを再現します。

あとは、サンドペーパーで削り込む単純作業です。
プラモから流用したシートの表皮パターンが、
そのまま生かせることを期待しましたが、やはり、
1/12スケールだと繊細過ぎなので、結局、ヤスリで加工し、
それらしく、凹みやシワを再現しました。

途中、他の部品と合わせて、様子を見ます。

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全体のバランスも見たいので、併行作業で、
フロント部分の製作を始めました。

プラ板を曲げたり、積層して削り出しても良いのですが、
このフロント部の微妙な曲面を眺めているうちに、
1/35の戦後の米軍戦車で似た部品を見た記憶が。

さっそく、自分のストックを捜したところ、
イタレリのM47のマフラーパーツが、曲面も幅もぴったりでした。

さっそく、流用加工します。
2枚のパーツのディテールを削り取り、縦方向に接着して整形を。

ハンドル基部となるプラ棒を付けると、なんとなく雰囲気が出てきました。

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実車取材した結果、
サイドカバーの取り付け位置が0,7mmほど後でした。
無視できる範囲ではありますが、まあ、気付いたことは直そうと。

電動リューターの薄刃ノコで、ざっくり切り離して、
ちょっと前に再接着。

手すさびで始めた原型に、こんな微妙な修正ばかりしているから、
いつまで経っても完成しないのでしょうね。

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