福島在住のスズキGT380コレクターのタケベ・スズキさんから久々に連絡が。スズキ車コレクターの先輩格だった方がコレクションの処分を始めたそうです。老後の趣味でレストアしようと昔から古いスズキ車を集めており、20数台のバイクを古い倉庫を借りて保管していたものの、結局、定年退職後も手を付けられず。70歳を過ぎてバイクに乗らなくなり、一層、レストア意欲が萎えたところに保管場所だった古倉庫が取り壊されることになり、期日までに中のバイクを撤去しての通知が…

 全車が不動で、長いものは30年以上も動いていないのにGT750やGS750、GS400E、RG250E、GSX400F、SW-1などは即嫁ぎ先が見つかる一方でGA50やGR650、RF400Rなどの不人気車は残り、その中にGSX250Tと250LがあるけどレストアベースやGSX250Eの部品取り車にどう?てな話でした。和メリカンと呼ばれ、デザイン的に好き嫌いが多いGSX250Lはともかく、スタンダードなスタイルのGSX250T中古車市場でもそれなりの値段が付いているので、欲しい人が見つかりそうだけど?

「余程のキレイなら話は別だけど程度はそこそこそれなりの値段のGSX250Tは長期在庫になっていないか?」

言われてみれば、確かに。

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GSX250T

「撤収期限はいつですか?時間的な余裕があるなら心当たりに尋ねてみますけど?」

「今月末だったのを、お願いして連休明けまでにしてもらったんだと…」

 いや、それは短すぎでしょう。何とかしてあげたいとは思うものの私も置き場所がなく増車はできないので、別の方を紹介するのが精一杯でした。買取業者を呼べば簡単に片付くと思われるでしょうが、このオーナーさんはバイクブームが終わった後、解体屋のバイク墓場を見た世代でして。当時、解体屋の裏には、事故車と共にまだまだ走れるのに誰も欲しがらない不人気車種バイクが山積みで捨てられており、錆びて朽ち果てていく姿はバイク好きには決して忘れられない地獄絵図でした。

 自分のコレクションが買取られた後、業者オークションに出され、そこで買い手が付かなかったとき、解体屋で朽ちていく末路を思うと耐えられないとのこと。若い世代で欲しがる人、いないですかね?と問うと、

「仕事先や飲み屋でバイク欲しいって言う若い奴に不動車を直して乗らないか?わからない所は一緒に手伝うからって声掛けてるけどそこまでしたくはないとか、今のバイクがいい、スクーターが欲しいばっかりだよ」

「最近はバイク雑誌の記事でもメンテはバイク店に任せろが多いし、メンテ雑誌ですらショップのタイアップばっかりのお粗末ぶりで、担当編集者はバイクがキレイになって良い気分だろうけど、あれじゃ誰も自分で直そうとか考えなくなるよな」

「不動の不人気車を手に入れて、自分の力で走るようにするのって、すごく楽しいのにな」

う~ん、難しい時代です。



*4月27日追記
 珍しいけど高値は付かない車種揃いでしたが、解体屋には捨てないという約束で北関東のバイク屋にまとめて引き取ってもらったそうです。現状では最良の解決策だったと思いますが、商材として大丈夫なのか?という別の不安があります。