GUMKA工房記

模型の企画・設計と資料同人誌の販売をやっている「GUMKAミニチュア」の備忘録を兼ねたブログです。雨が降ると電車が止まるJR武蔵野線の新松戸と南流山駅の中間辺りに事務所はあります。近所に素材や塗料が揃う模型店がありません。最近、昔からやっている本屋が閉店しました。

2021年07月


 帰宅途中、公園を通ると小学2~3年と幼稚園児ほどの男子、3歳くらいの女児、母親らしき女性が桜の木の脇に立っており、弟君が「早くしないと逃げちゃうよ」「遅いよ」と半泣き駄々をこねています。
 見ると桜の木の低い位置にアブラゼミがとまっており、どうやらそれを採りたい様子です。ああ、お母さんを含めて、誰も虫を触れないんだなと思い「セミ、採りたいの?」と声を掛けると、男子二人が「今、お母さんが網と虫籠を取りにマンションに行ったけど帰ってこない」「逃げちゃうよ」を同時に堰を切ったように喋り始め、一瞬わけがわからず。

 お母さんだと思った女性は、実は男子二人の母親と同じマンションの住人(女児のお母さん)で、絶好の位置にいるセミを採りたいと兄弟が望んだため、母親が自宅まで網と虫籠を取りに行き、その間の二人の監視役を頼まれたけど、戻りが遅くて二人がイライラしていると説明してくれました。

 ああ、それならとパッと手で捕まえたら「手で捕まえた!」「すごい!」「手だ!」と二人とも興奮しまくり。

「おじさん、セミ、手で捕まえれるの?」そうか、今は「ら」抜き言葉なんだね。
「おじさんの子供の頃は、みんなセミを手で捕まえていたよ」
「どうして手で捕まえれるの?」
「昔は普通だったよ」
「どうして、昔は手で捕まえれたの?」
 二人とも初めて見る光景にアドレナリン出っ放しで瞳孔開いて、同じような質問を繰り返す面倒くさいモードになっていたので、冗談で「おじさん、前世が猫だから、手で捕まえられるんだよ」と言ったら、女性は笑ってくれたけど、二人はさらに興奮して
「おじさん、猫なの?」「いや冗談だよ」
「猫はセミ、手で捕まえれるの?」「いや冗談だって」
「今でも猫の言葉、話せるの?」面倒だから合わせて
「人間になったら、猫の言葉はわからなくなるんだ」と言ったら
「そうなんだ」
 お兄ちゃんにセミを渡して帰ってきましたが、渡すとき「このセミ、鳴かないからメスだね」と言うと「猫だからわかるの?」いや、鳴かないからって説明したろうが!

 きっと母親が戻って来たら「前世が猫のおじさんがセミを捕まえてくれた」とか言ったんだろうな。

 今から10年前、近所に痩せた若い野良の黒猫がいました。目の上の毛が海老茶色なのが特徴で、よくうちの事務所の駐車場で遊んでいました。
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 しばらくすると見なくなって、その四ヶ月後、デブの黒猫が現れます。「そういえば、あの瘦せた黒猫、どうしているかな?」と思ってよく見ると、目の上の毛が海老茶色で耳の形も同じ。違うのは倍近くに膨れた体型とテラテラと輝く毛艶で、僅か四ヶ月くらいで猫は、ここまで太るものなのか?と思い、詳しい方に伺うと「餌をてんこ盛りで与えるオバさんと遭遇して」「若ければ十分にあり得る」「毛艶が良いのは餌もさることながら、シャンプーとブラッシングの成果で、たぶん誰かに飼われている」とのことで、驚きと共に「林寛子」と命名しました。
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 そして命名から10年が経ち、海老茶色の毛の色が少し薄くなりましたが、体型はますます立派になっていました。顔なんて目鼻が小さく見えるほど、まん丸です。首にリボンを付けているときがあるので、やはり飼い猫に昇格したみたいです。たまにしか見ないのは、ほとんど家の中にいるからでしょうね。
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 10年前の林寛子は太っていても動きが機敏でしたが、さすがに年齢には勝てないのか、最近はじっとしていたり、デベデベと歩くだけです(猫の話ですよ。くれぐれも誤解なきように)

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