20代の頃にカワサキ250ss(S1) に乗っていたと話すとバイク好きな方からは高確率で、あの加速感を求めてですか?とかカワサキ・トリプルの魅力に?と言われますが、単に値段が安かっただけなんです。

少し前から旧車人気が再燃しているためか250ssも状態が良かったり、レストア済みだと、かなりのプレミア価格で取引されるようですがRZ250やVT250が大暴れしていた1980年代初頭は、誰からも見向きもされず、中古バイク店の片隅で捨て値で売られていました。
当時、スズキのGSX250Eとホンダ・ダックスST50を所有していたのですが、後輩にST50を譲ってしまい、下駄代わりとなる50ccバイクを捜しているときに、友人が「50ccじゃないけど俺の250ssを買わない?」と持ちかけて来ました。現物を確認すると、すこぶる程度は良いのに金額が中古50ccスポーツモデルと変わらない格安価格で思わず買いました。
その友人もバイク店から安く買ったものの、そのクセの強さと扱い辛さに持て余していたそうで、私に売ってアパートの前の置き場所が空くと、すぐにGSX400Fを購入していました。しばらくは、そのまま乗っていましたが、江戸川区の解体屋で、350ss用実動エンジン(キャブレター付き)を5000円で買い、当時の御約束で載せ換えました。昨今の相場からは考えられない格安価格でした。
ジェントルなGSXに対して、やんちゃなバイクで圧倒的な加速感と排気煙、走行音は快感でしたが、2サイクルだから当然ながら、燃費が悪いことと、とにかくフロント・ブレーキが効かないこと(何度かチビりかけた)振動がスゴイこと、そして何より「オレは日常の下駄代わりとなる50ccが欲しかったはずでは??」と気付き(遅すぎ)、約2年で売ってしまいました。
ただ、あのタンクやシート、テールカウルのデザインは好きで忘れられず、数年前、ネットオークションで「内部に錆有り」と注釈付きながら同じ赤いタンクが出品されていたので落札し、知人からテールカウルとサイドカバーを譲ってもらいました。今でも、もう一度、乗りたいと思いますが、バイク好きの友人らに聞くと、部品の供給面やメインテナンスが大変で、SS/KH系列に命掛けられる人じゃないとおそらく維持できない(本当か?)そうだから、難しいでしょうね。