人生の楽しみの半分以上が美味しいものを食べることと、気心が知れ合った仲間と馬鹿話をすることだったので、脳血管疾患で言葉が話せない、物が食べられない状態になって、かなり精神的に落ち込みました。当然、模型製作なんぞ作る気には到底なれず、このマークB中戦車も随分と前に自作デカールは完成したものの、ずっと作業机の上に放置していました。


 そんな状態でしたが、三週間ほど前からリハビリの成果で言葉や咀嚼が、かなり回復し、それ共に製作意欲も湧いてきました。丁度、三年ぶりに東京FVの会が開催されるので、それに間に合えば、労農赤軍塗装のMk.Bを持っていくぞ!とやる気になって、マースキングに着手しました。

 マークBの特徴的な迷彩を再現するためのマスキング作業では、ガイアノーツのマスキングゾル「マスキングコートR」が活躍してくれました。もともと、縦横比のバランスがおかしいキットでしたが、それに合わせて細部のモールドも、いろいろいじってあって、どうあっても写真どおりの迷彩パターンは再現できないことがわかり、製作意欲が萎え、結局、東京AFVの会までには完成せず。

 それでも、会で様々な作品を見て英気を養なったとこで、懐かしい知り合いと再会して駄話を。

「……そういえば、前に作ってたマークB、どうなったの?デカール問題は解決したんでしょう?」

「それがキットの縦横比のバランスがおかしくて、それに合わせて細部のモールドも、いろいろ変更しているんで、どうあっても写真どおりの迷彩パターンは再現できないことがわかって、製作意欲が萎えたの」

「…そんなの誰もわからないから、適当でいいんじゃない? アイテム的に参考にして作るモデラーもいないだろうし」

 言われてみれば、そうだよな、ということで、始めました。

RIMG0067RIMG0070
RIMG0073
RIMG0074
RIMG0075

 基本塗装が終わったので、これからウエザリングです。

 マークB中戦車を使用した軍隊は本国のイギリス軍、バルト三国のラトヴィア軍、イギリス軍から鹵獲し、再使用した労農赤軍だけですが、この中では労農赤軍の二色迷彩とハンマーと馬鋤赤星マーキングが一番派手で、Mk.Bの異形にも似合っている気がします。

 一説によると、この独特な迷彩の考案者は、ロシアン・アヴァンギャルドの一翼を担ったデザイナーである巨匠アレクサンドル・ロトチェンコだそうです。
ロトチェンコ

download OIP