GUMKA工房記

模型の企画・設計とロシアのレッドアイアンモデルズの代理店をやっている「GUMKAミニチュア」の備忘録を兼ねたブログです。雨が降ると電車が止まるJR武蔵野線の新松戸と南流山駅の中間辺りに事務所はあります。近所に素材や塗料が揃う模型店がありません。最近、昔からやっている本屋が閉店しました。

カテゴリ: ベネリ・クアトロ


 昔からバイク雑誌の記事では、ベネリ・クアトロ&モトグッチ254系のOHC空冷四気筒250ccエンジンはホンダCB400/350Fourの縮小と解説されており、私もそのように紹介してきました。

 惜しまれつつ閉店したCB400Four専門店「Four Season」の店長だった高橋さんにエンジンを分解検証していただいたところ、意外な見解が。

* 254のエンジンはCB500Fをベースに50%ダウンしているのと思われる。

* オイルポンプやカムチェーンテンショナー、シリンダーヘッドのオイルラインとレイアウトは 
  500F系とそっくり

* OHCの構造ではCB500F系統のエンジンが良く出来ており、それを見習ったのでは?

とのこと。これは驚きでした。


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こちらは、ホンダCB500Fのオイルポンプの部品図

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254のオイルポンプ、形状も部品構成もそっくりです。

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CB500F系のミッションは、シフトドラムにシフトフォークが入る独特の方式。

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 分解したところ、254のエンジンも同様です。さすがCB400Four系専門家、説得力ある分析です。定説でも確認すると実は違うということがあるのですね。


 たぶん日本では初公開(?)のモトグッチ254のケース割り写真です。Z1/2、CB750FOURやGSX1100Sなら、バイク雑誌や専門ムック本に載っていますが、価値はともかく、滅多にお目にかかれない画像です。

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以下、分解した高橋さんのコメントです

 アッパーケースは比較的軽くメインベアリング(プレーンタイプ)は分解前から、数が少ないかと思っていたら、3ベアリングでした。幅の制約とコストダウンの為と思われます

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 ミッションの幅狭く、50㏄並みぐらい。クランクシャフトのウエイトだけ見ると、外形は良い感じの形状でコンロッドは短く可愛い。

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 ベアリング類はSKFで、日本代理店があり、一般的でないのは本国オーダーで入手可能のはずです。オイルシールは専門業者でオーダー可能か不明。国産で対応出きれば良いのですが

(続く)

部品取り用エンジンを分解し、構造を確認する作業は続いております。

Four Seasonの高橋さん、なんと、ベネリ254エンジン分解用の専用工具を作ってしまったようです。

こちらが、クラッチスプリング用ナットと一次ギアの専用ナット外し工具

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こちらは、ACGローター分解専用工具。

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検証段階で、こんなモノまで作ってしまい、日本唯一のベネリ254系レストア店誕生か?!

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分解作業は続きます。

今回はクラッチです。以下、高橋さんのコメントです。

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本日は、クラッチ周りを
1、メーカーは SURFLEX製 イタリアのクラッチメーカーで、
DUCATIも使用してましてフリクションディスクにもマーク入り ”お洒落~”
小さくて50cc用みたい 直径100mmほど

2、バルブスプリングシートには、クラックが、、、、

3、バルブステムシール スチールカバープレス物に専用シールが入っていますが 
これで、センター&シールできるんだ~・・・???

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このクラッチ板、今でも入手可能なんですかね?
なければ代替品ですが、大きさからすると50ccロードスポーツ辺りから転用?
そもそも、50ccロードスポーツ自体、絶滅危惧種だよね…

立ち込める暗雲…

 かつて、ベネリ254の二台のオーナーだったドイツ人はこのバイクを評して言いました。「デロルトのキャブは普通に走るだけでセッテイングが狂う。ボッシュ製のセル・モーターはスラッジが少しでも貯まると作動不良。電装系でハーネスは日常の水洗いだけで死ぬ。コンデンサーなんか何もしなくてもパンクする。ポイントが狂うのは挨拶みたいなもん。フレームは明らかに強度不足だ。フロントフォークは容易に底付きする。ブレンボのブレーキは制動能力不足。全てが悪夢だ」

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 その後、知り合った多くのベネリ254のオーナーもセルモーターの不調を異口同音に訴えます。そんな鬼門ともいうべき、セルモーターの検証を高橋さんは始めました。そもそも、このモーター、本体と蓋が封印された非分解式でカーボン・ブラシの交換を考えていません。以下、封印を解き、中身を確認した高橋さんのコメントです。
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1、カバーにメーカ名 EFEL? イタ車のライト類の電装メーカー

2、100円ショップの腕時計なみの非分解ですが、非防水?Oリングが入ってません。
  雨の降らない国の仕様なのでしょうか?

スラッジが少しでも貯まると作動不良を起こす、は、おそらく

3、ブラシのスプリングが弱いため戻りが悪く、スライドしない
=この部分にスラッジが貯まりスライドしなくなり通電しないのでセルが回らない。

ベースプレートがベークライトの板でクラックが見えます。
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セルモーターはボッシュではなく、EFEL、やはりイタリア製だったのですね。なぜ、二台オーナーの彼はボッシュ製とメールに書いたのでしょう?ベネリ254はドイツのメカフェチのハートを掴み、OEM供給されて「モトビ」のブランドで売ったそうなので、もしかしたらセルモーターが交換されていたのかもしれません。非分解式で非防水。イタリア人は何を考えとるんでしょうか?


 研究用に名古屋の「Four Season 」の高橋さんに進呈したベネリ・クアトロの部品取り用エンジンの分解・検証が始まり、写真込みの報告が届き始めました。は、早い!

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 まずはピストンから。鋳造製ピストンにはMONDIALの文字がありました。正真正銘のイタリア製の証です。オイルリングはワンピースで、日本でも70年代には、3ピースだったそうで、高橋さんが驚いていました。

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