私の祖父は、街中で興味を引く人や物を見つけると老若男女問わず話し掛けていましたが、その血を引き継いでしまい、不思議や疑問があると、ついヤバめな相手にも声を掛けて、別の意味でヤバい人で話が止まらず逃げられないとか、言っている事が支離滅裂の本物で即逃げるという事故に遭遇します。

 しばしば「高田さんの周囲には、おもしろい人が沢山いますね」と言われますが、実はミーネンロイマーの如く積極的に地雷原に突っ込んで踏みまくっているだけで、一つのおもしろエピソードの陰には使えない話が幾つもあります。

 郵便局に行く途中の坂川で鴨に餌をやっている80代くらいのお婆さんがいました。ふと手元を見ると、ドライタイプのキャットフードをあげています。「え⁈」と思ったら、もう止まりません。「すいません、鴨にキャットフードをあげているんですか?」

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お婆さん、こっちを一瞥した後、餌をやり続けながら
「今ね、マーコっていう猫を飼っているの。前の猫が死んじゃって、その子がミーコだったからマーコね」
なるほど。マ行で前に戻るのか。するとマーコの次はホーコか?
「ミーコが死んで落ち込んでたら、娘がミーコの従兄(甥っ子か姪っ子の間違い?)だよって子猫を持ってきてくれたの。見てくれは似ているけど、ミーコは、すごく大人しかったのにマーコは御転婆でね。で、ミーコが大好きだったキャットフードが、まだ残っていたんで、マーコにあげるんだけど、全然、食べないの。だからって捨てるのはもったいないから、こうやって鴨ちゃんにあげるの」
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 お婆さん、前の飼い猫が残したキャットフードって、賞味期限とか大丈夫なんですか?もしかして子猫が食べないのは油が変質しているからでは?あと活発なのは、まだ子猫だからでしょう?と次々に突っ込みが湧きましたが、この人物は突っ込んでも、面白い展開がないと脳内アラートが鳴ったので「そうでしたか。失礼します」と離脱しました。