経営していた模型店が駅近に移転し、しばらく経った頃の話です。

 その日の朝、私は出張先のモスクワから帰国しました。留守中は家内とバイトのYさんに店をお願いしていましたが、帰国日は店休日でした。成田から自宅に戻り数時間の仮眠後、夕方に自転車で店に行きました。

 届いていた郵便物に目を通し、伝言メモを見て何本かの電話をして帰路へ。途中、交差点で信号待ちをしていると、市内にある私立小学校のH学園の男女の生徒がいました。小学3年生くらいで学校の制服姿でランドセルを背負っています。女の子は、一方的にずっと話しており、男の子は、ぼーっとした様子でそれを聞いている風でした。

「そうそう、マサト君、私たち、お付き合いしているでしょう?お母様が言っていたけど恋人同士は、あだ名で呼び合うんですって」

 急に女の子が言い始めます。さすがはハイソなH学園、母親を「お母様」と呼んでやがります。マサト君は相変わらずぼーっとした様子で、あだ名?なんて呼ぶの?みたいなことを尋ねます。

「それでね、お母様がね、二人のあだ名を考えてくれたの。私のあだ名はネコボシ(猫星か?)マサト君はミミゲ(耳毛?)よ」

 え?今、ミミゲって聞こえたけど、時差ボケで空耳か?と思いましたが、交差点で信号待ちしていた周囲の人々が二人を凝視した後、キョロキョロし、お互いの視線で「この子、今、ミミゲ(耳毛)とネコボシ(猫星)って言いましたよね?」と確認し合ったので、やっぱり空耳じゃないと確信しました。

「これから学校でも、アサミちゃんのことネコボシって呼ぶの?」

マサト君、相変わらず良い感じで尋ねます。

「ううん、二人っきりのときだけよ♥」

女の子の真横にいたOLさんの目に怒りと蔑視と軽い殺意がありましたが、残念ながら、そこで信号が変わり、それ以上の会話は聞けず。

 でも、自分の娘はネコボシ(たぶん猫星)と可愛いい命名しておきながら、他人様の子供はミミゲ(たぶん耳毛)呼ばわりする女の子の母親もどうかと思います。ちなみに私の位置からは男の子の左耳しか見えなかったのですが、耳毛は生えていなかったです。

もしも、「なにを言っているんですか。ミミゲとは耳毛のことではなく、〇X%●語で〇〇という意味で、かの国では最高の栄誉ですよ」とか御存知の方がいらっしゃれば、ご教示お願い致します。



補記;以前、アニメ版「進撃の巨人」に登場するキャラクターのユミルを見たとき、この実写版な人に一瞬、ちらっと会った記憶があるけど、いつの誰だったかな?かなり昔のことだと思うけど、どこかの店員さんかスタッフさんだったかな?状態でしたが、この記事を書いてて思い出しました。女の子の真横にいた軽い殺意OLさんでした。