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 模型店の元バイトにして、カメラ友達の山下君のお薦めで「安原製作所回顧録(安原 伸著 えい出版社)」を読みました。安原製作所は、1997年に創業した世界最小のカメラメーカーで、なんと個人営業でした。

 オートフォーカス一眼レフ全盛の時代に趣味性の強い「安原一式」というマニュアル・レンジファインダー機を開発し、告知や広告はホームページのみ。販売も直販というユニークな方法で展開し、当時はカメラ雑誌だけでなく、新聞や経済誌でも幅広く取り上げられました。しかし、同社の二番目の製品「秋月」の開発中に時代のニーズが銀塩カメラからデジカメへと急激に変わり、2004年にカメラメーカーとしての業務を終了します。

  同社に関する様々な記事や報道を読んでも謎だったのは、「個人営業でカメラメーカーは回せるのか?」とか「生産を担当した中国企業との関係は?」でしたが、さすが本人が書いているだけあって、一気に判明しました。自分も香港人や台湾人を相手に仕事をしているだけに、頷ける箇所は多かったです。

 我々、弱小レジン模型メーカーと似た部分も僅かながらあり、物作りに関わる方は読んで損ないと思います。