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起動輪、誘動輪、マフラーなどの細部のメタル部品は、
3D CAD/CAMを使って、香港にて原型製作を行いました。

 当初、てっきり、日本の工場がやっているように切削マシーンを稼働しっぱなして、
サイコウッド(人工木材)の固まりを削っていくのだろうと思っていたのですが、
全然違っていました。

図面の入ったCDを国際宅配便で送ると、先方から、すぐに無事到着の返事、そして
「さっそく、オペレーターに図面を展開させるアルよ」
という意味深なメッセージが。

 この段階では、てっきり、ファイルが一部開けない箇所があるのかな?
まあ、共有ファイル形式で出力したとはいえ、CADもソフトやバージョンによっては、
うまく互換がいかないこともあるしね、などとデザイナーの岡田さんと話していました。

 ところが、その後、2週間経っても、切削を開始したという知らせがないので、
どうしたのかと問い合わせると、なんと、

「アイヤー、まだオペレーターに図面を展開させてる途中アルよ(意訳)」
ファイルを開く如きに、なんで、そんなに時間がかかるのか?と問うと

「なにを寝ぼけたコト言ってるアルか、ポコペンナ!アナタの図面、
とても複雑で、まともに全部を機械で削り出していたら、時間がかかりすぎて、
機械の電気代やらオイル代やら、お金が掛かりすぎナ!タから、
まず中国本土の工場のオペレーターに図面をパソコン画面上で、
バラバラに分解させて、削り易い形状にするアルよ。
そして、それぞれの部品を削り出したら、今度は、
それを職人の手で図面どうりの原型に組み立てるアル。
機械のランニング・コストよりオペレーターと職人の人件費のほうが、
ずーっと、ずーっと安いアル!これ香港・中国の常識ヨ!
だから今、まだ最初の段階アル。ニッポンじん、せっかち良くないアルよ!
長江の流れのように、悠々と...(以下略。全文、要約かつ意訳)」

という驚くべき回答が。うーん、人件費が安いとは聞いていたが、
まさか、これほどとは…。こんな手間と人件費のかかる方式を、
平成の日本でやった日にゃ、一体、いくらの請求書を書かれることか。
まさに中国、恐るべし!

 不安と期待が混じりながら待つこと、3ヶ月、続々と原型の写真が届き始めました。
問題がありそうな部品は再加工を命じましたが、今回は、いくつかを紹介いたします。