今年2月に模型店時代の知り合い数名と居酒屋で飲んでいたときの出来事です。飲み始めて1時間ほど過ぎて良い気分になってきた頃、隣席の男性が話しかけてきました。

「ちょっと聞こえたんですけど、プラモデルとか作るんですか?」

 男性三人・女性一人のグループで就職活動中の大学生か社会人1年目という感じでした。ええ、まあ趣味ですけどねと返事をしたら、鞄からエヴァンゲリオンの食玩フィギュアを出してきて、

「これ組めますか?」

 グループの女性が「やめなよ、失礼だよ。知らない人に」と諫めていましたが、こっちも酔っているので、はいよ~と受け取り、袋を開けて、ぱっぱっと手足・頭を付け、スタンドに固定して1分ほどで完成。すると隣席の男性全員が

「え?、もう組めたんですか?説明書とか見ないんですか?」

からかわれているのかと思ったら、真顔で、

「左右の手足の区別、難しくないんですか?」

「自分は(可動フィギュアの)リボルテックでも、(衣装や鎧を替えるために)手足を外すと左右の区別がわかんなくなって、いつも間違えるんですよ」

彼の言葉に頷く連れの男性二名。

いやいや、靴のつま先の形とか手首を見れば簡単でしょう?

「いや、ぱっと見、わかんないじゃないですか?普通は?」

えー、わかるだろう?普通は?ひょっとして、形状認識能力が我々の世代と違うのか?なんだか、この前の組み立て家具を作れない男性に通じるような… このグループの男性が特異な例と信じたいです。

 最後はちょっと、微笑ましい(?)ネタで。某中間流通業者にお勤めの方から伺った話です。棚卸しで深夜残業となったとき、会社から弁当と魚肉ソーセージが夜食として配られたそうです。それを食べているとき、二年目の大卒社員が尋ねてきました。

「魚肉ソーセージって、何でできているんですかね?」

一瞬、言葉が出ず。気を取り直し、そんなもん魚肉だから魚肉ソーセージだろうが!と言うと、

「えっ!これ材料自体が魚肉なんですか?」

「カニかまみたいに、大豆とかの安い別材料を魚肉風に仕立てたんじゃなくて?」

「何のためですか?エコですか?それともヘルシーのほうですか?」

 最近は万物全ての起源がエコとヘルシーですか…まあ、本物のソーセージよりカロリー少なめで体には良さそうだけど。昭和30年代、本物の豚肉を使ったソーセージより安い代用品という誕生背景も、もはや過去の話なのか?

この国は、本当の意味で豊かになったのか???