1980年1月、初代GSX250E販売開始。 
1980年8月、ヤマハRZ250が登場。

1982年2月、KATANAデザインに変更。 
1982年6月、ホンダVT250Fが登場。

1983年3月、カウル付きモデルに変更。 
1983年3月、スズキRG250Γが登場。

1986年2月、最終カラーリング変更.
1986年10月、ホンダNSR250Rが登場。

新しい事をやると話題の新車に全てチャラにされてます。下手な昼ドラの主人公だって、もう少し幸せです。こんなに不幸なバイクはありませんって。

デビュー当時から問題点と指摘されたのはバンク角の浅さ。ただ、GT380やGT250、GS400も同じだったので、これは個別車種の問題でなく当時のスズキの設計思想だった気がします。

長所は乗り易さと堅牢さ、経済性の良さ、ストレスなく回るエンジン。通勤や通学の足に使って、休日に高速道路を使ったツーリングに出掛けるというライダーであれば全く問題ないバイクです。

このクラスは時代によって要求が変わってきました。そもそもは車検不要、税金も安いし高速道路も走行可能という生活バイクだったのに、1970年代終わりから趣味製の高いモデルが登場し、80年代に一気にそれが開花します。

GSXはDOHCエンジンだけ見ると趣味性が高いですが、中身は汎用バイクでそこがRZ登場以後、大きく変わってしまった市場ニーズと合わなかったのでしょう。友人らに試乗させたとき、異口同音に言う
「DOHC4バルブって割には、普通だね」は、この辺のユーザーの気持ちを端的に表していると思います。

しばしば、ホンダVT系列やジェイドに使われる「250ccカブ」という例えは、このGSXにも当てはまります。同年代に登場したライバルたちが、VTとRZ系列以外は、ほとんど姿を消した中にあって、1987~88年頃まで、基本形態を維持したまま販売され続けたのは幸せだったような不幸だったような…

40才を過ぎた頃、一度、GSX250E KATANAに乗りました。当たり前ですが、初代と全く変わらない特性に懐かしさを覚える反面、乗り手がバイクに負けない感や、気負わず乗れる感が健在でした。

バイクは、このくらいで良いんだなと思ったのは、単に自分が年をとったからだけでないと思います。