バイク模型の開発が難しいと言われるのは、
おそらく異なる二つの才能が必要だからです。

エンジンやフレームには、
大砲の模型を作るように、
部品の集合体としてエンジンを理解し、
それを的確に模型部品変換できる思考、
パイプフレームなどの造形をまとめる力、
さらに頭の中の部品を形にできる緻密で正確な工作の才能。

一方で、タンクやシート、サイドカバーの造形には、
それとは相反する曲面を模型として再現する能力が必要です。
飛行機や自動車の木型職人に、この能力が優れた方が多いです。

この両方を兼ね備えた人は、模型業界でもそう多くなく、
国内で3~4人、海外を入れても10名ほどしか顔が思い浮かばず、
その中の何人かは、すでに引退しています。

一次原型を担当してくれたH3さんは、もともと大砲のプラモデル設計が得意で、
これまで香港や台湾の模型メーカーの仕事をやっています。
彼の設計した対戦車砲や野砲、対空砲の評価は高いです。

タンクやサイドカバー、シートなどは修正の多かった一次原型ですが、
さすが大砲のデザイナーだけあって、エンジンに関しては形状的な問題点は皆無でした。

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そのまま使えるレベルでしたが、他の部品とのバランスをとるべく、
多少、細部の追加工作と、組み立てのための部分改修をすることにしました。

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つい最近、KH250のエンジンの開け閉めをし、
構造を理解したばかりなので、
細部追加工作には、つい力が入ります(笑)


(続く)