前回に引き続き、福島のスーパーで見た商品ですが御菓子コーナーにあった懐かしの「シベリア」。結構な数を積んでます。

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これ、亡き父親の好物で、私が中学生くらいまでは、近所のパン屋や御菓子屋で普通に売っていましたが、ここ30年くらいは見ていません。てっきり生産終了になったと思っていたのですが、福島でシーラカンスのように絶滅を免れて売ってました。

この奇妙な名前の由来は、かつて帝国陸軍がシベリア出兵し長期の膠着戦となった際、極寒の異国で戦う兵士を慰めるため、実家が和菓子屋だった陸軍中尉が現地調達したパンケーキに本土から送られた羊羹を挟んで、どら焼きの代用品を作り、「シベリアどら焼き」として部隊に配ったが始まりです…というのは大嘘で、実際は羊羹を挟む分厚いカステラがロシア兵の毛皮襟付き外套のように見えるので
「シベリア」と名付けられたそうです。

実は上の嘘話も含めて父親から聞いたのですが、生真面目な父親が、こんな小洒落た小話を思い付くはずがないので、後日、祖父に尋ねてみると、案の定、祖父が父親に話したとおりを、ほぼそのままに私に伝えていました。

祖父曰く、

「(私の父親が)パクパク食べよるんで、”なんで、この菓子、シベリア、言うか知っているか?”と聞いたら、”ロシアの御菓子だから”とか生意気そうに言うんで嘘話とセットで由来を話してやった。人間、嘘話と一緒だと絶対に忘れんモンでな」

「しかし、奴もそのまんま、お前に話すとは、本当にツマランやっちゃな。枝葉を付けるとか、話を工夫するとかないんか?」

たぶん、祖父もわかっていると思いますが、それは絶対に無理です。しかし、この行動こそが、我が父らしいと思います。

懐かしさのあまり、1個買い、初めて見るという高知のY氏と一緒に宿でお茶菓子にしました。

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昔の方がアンコが甘かった気がしますが、ほぼ変わらぬ味に安堵しました。