10数年ぶりに、ロシアの某模型業者から連絡がありました。

「やあ、まだ、このアドレスを使っていたんだな。
ちょっと相談したい事があるんだけど、今週末か来週、モスクワに来れるか?」


行けるか!ボケェ~!

あのね、隣の県とかじゃないんだから…

思い立ったら行ける国は、せいぜい台湾と香港までだな…

せっかく連絡くれたので、近況だの景気だのを尋ねてみました。
模型が売れているそうです。

羨ましいぞ~モスクワ


無下に断るのも無粋なので、

「今週末は歯医者の予約があるし、来週は義父と穴子を食べに行かないとダメなんだ。
旬のモノを義父に御馳走するのは、日本の婿の務めさ~」

てな冗談で返したら、

「そりゃ、大変だ。でも、いい習慣だな。
 うちの国では、借金の申し込み以外、婿が義父に御馳走してくれることはないな~。
 んで、飲みながら、貸す貸さないの話をするモンだから、
 しばしば殴り合いやら詰り合いになるんだな~」


そして、こんなアネクード(ロシア小話)を




ここ数年、連絡すらなかった娘婿のイワンが、義父のサーシャに夜遅く電話してきました。

サーシャ 「こんな夜中に電話なんて、一体、何を考えているんじゃ!」


イワン 「すいません、義父さん。 明日、デイナーを御馳走しますよ」


サーシャ 「ふん、その手には乗らんぞ。 
       さては明日が金貸しへの返済日じゃな?
       今日一日、あっちこっちに頼んでみたものの、
       誰も金を貸してくれんから、最後の最後にワシのところか?
       普段、孫の顔も見せず、連絡もない、お前に貸す金なんぞないわ!」


イワン 「いやいや義父さん、落ち着いて話を聞いてください。
     義父さん、この前の選挙でジュガーノフ氏(プーチン大統領対立候補)の 
     モスクワ郊外地区選挙対策委員をやりましたよね?」


サーシャ 「おいイワン、それが人に頼み事をする態度か?!
       借金をこさえるようなロクデナシに、
       ワシの思想信条を説教される筋合いはない!
       そもそも、あの選挙結果は独裁者プーチンのインチキじゃ!
       奴の不正を必ず暴いてみせるぞ!ワシは奴を許さん!
       祖国ロシアを奴の好きにはさせん!


イワン 「義父さん、ありがとうございます。
     勘違いされていたみたいですが、その言葉だけで充分ですよ。
     今まで黙っていましたが、実は私、国家と大統領に仕える身でしてね。
     では明日、デイナーを御一緒しましょう。



そのとき、サーシャの部屋のドアがノックされました。


もちろん、窓の外には黒塗りの車が…