今、H2の完成品を撮影中です。

艶のある完成品の撮影は、15年前に1/24の車を撮って以来なので、
準備に時間が掛ったうえ、照明のコツを完全に忘れており、
半日程度で終わると思っていたのに、まだ続いています。

撮影器材は、20年位使っているロシア製マクロレンズのインダスター61L/Z (f-2.8/50mm)
とヴォルナ9(f-2.8/50mm)、広角マクロのミール10A(f-3,5/28mm)で、
いずれも旧ソ連時代に製造され、体制崩壊後に現地で入手しました。

旧ソ連の民生工業製品には、見事なくらいロクな物がないのですが、
カメラ用レンズは、国内で産出する光学ガラスの質が良かったうえ、
戦後賠償の名目で、東独領にあったカール・ツァイスの工場を接収し、
一緒に技師達もソ連に連行して、無理矢理に働かせたので、
戦後は優秀な製品が沢山生まれました。

ドイツから得た技術はジェット機とロケットだけでないんですね。

ただ、問題なのは基本設計は優秀なのに、
生産工程や製品管理が、とっても、いい加減で、
工業製品のくせに、当たり外れがあり、
せっかくの性能が台無しになっている製品が多々あります。

私も最初に入手したインダスター61L/Z (f-2.8/50mm)は、今一つでした。
入手の際には、できれば試写をするか、
信頼できる人物やお店からの購入をお勧めします。

銀塩35mm用の広角~標準マクロですから、
デジカメ一眼に装着した場合、標準~中望遠マクロになります。

まずは、ヴォルナ9(f-2.8/50mm) 1986年製で、同じマクロながら、
インダスター61L(50mm/f-2.8)ほどのカリカリ感がありません。
まるで、模型が実車みたいに撮れる不思議なレンズです。

イメージ 1


こちらが、インダスター61L/Z (f-2.8/50mm) 1989年製。
マクロと言えば、細部のカリカリ描写と背景ボケ
という方はグッとくるのでは?(笑)

このカリカリ感は、たまりませんね。
模型の細部撮影には一番、向いています。

なお、このレンズ、流通量は多く、
比較的安価に入手できるのでお勧めですが、
ロシア人の友達によれば、
ソ連体制崩壊後の生産ロット(1991年~93年頃)は、
レンズガラスや鏡胴の品質が良くない物が多いので、
入手される際は避けた方が賢明らしいです。

イメージ 2

そして、これは広角マクロのミール10A 1980年製。
柔らかめな描写ですが、ヴォルナ9とは対照的に模型らしくみえますね。
発色も独特です。

イメージ 3


適材適所で、この三本を使いわけていきます。

なおロシア製レンズは、製造年や個体ごとの状態によって、
描写が異なるので、上記のデータは、参考程度にお考えください。