以前にお知らせした1/12 バンビーンOCR1000の模型化支援公募ですが、
クラウドファンド会社READYFORにて、間もなく公開されます。

バンビーンOCR1000というバイク

1960年代に次世代の自動車エンジンとして登場したロータリーエンジンは多くの技術者を魅了し、

1970年代には、このエンジンを搭載したバイクが市販されました。

オランダ人実業家ヘンク・バンビーン氏が


「これまでにないバイクを開発する」

と私財を投じて作り上げたOCR1000は、その中でも最大排気量で、
二輪車の技術史上からも特異な存在でした。

最高出力100psの2ローター式の排気量996ccの水冷ロータリーエンジン(以下RE)は、
ルクセンブルグ公国のコモーター社が製造する自動車用REの転用でしたが、
不幸にも販売を開始した1977年にエンジン供給元である同社が倒産したため、
僅か50基のエンジンしか確保できず、1981年に工場が閉鎖されるまで
38台しか生産されなかった幻のバイクです。

発売当時、日本にも1台だけが輸入され、試乗記事が各バイク雑誌の誌面を賑わせ、
少年ジャンプに連載されていたバイク漫画「熱風の虎(作者;村上もとか」では
世界最速のバイクと紹介されたため、あの時代に中高生だった40代後半以上の
年齢層には異様に高い認知度があります。


空前のバイクブームだった1980年代に青年時代を過ごした私もその一人で、

その先進的メカニズムと迫力あるスタイルは憧れ以上の存在で、
バイク雑誌を何度も読み返しながら実車を見ることは不可能だろうから、
せめてプラモデルでいいから手元に置きたいと思いましたが、
どこの模型メーカーからも発売されませんでした。

バイクの模型開発を7年前より始めたときから、
ロータリーバイクの模型化という漠然とした希望はありましたが、
実車取材の困難さと先に出すべきアイテムも多かったため、
遠い将来の夢と半分以上は諦めていました。

ところが昨年秋、ある旧車イベントに出掛けたところ、

バンビーンOCR1000が展示されており、

偶然、オーナーである牛山宙幸氏と知り合うことができました。


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牛山氏は都内でバイク店を経営されており、
数年前に不動車を海外から輸入して、
自らの手で公道走行可能な状態までレストアしたのです。

実車を前にして何気なく言った

「いつかは、このバイクを模型にしたいんですよ」

「模型化してくれるなら、協力は惜しまみませんよ」

との予想外の返事がありました。

牛山氏御自身もモデラーで、どこかOCR1000の模型を出してくれないかと、
ずっと思っていたとのこと。にわかには信じられない展開で、
予算とかスケジュールなどが一瞬、頭をよぎりましたが模型化を約束しました。
だって二度とないチャンスだと思ったんで…

(続く)