大学時代、福島県郡山市出身の級友がおり、郡山市が発展しているという自信と自負からか、同じ県内にも係わらず、なぜか南会津の桧枝岐村をネタにしていました。

 
「桧枝岐村では日本円が通用しない」

 
「基本は物々交換で、ヤマメと蕎麦粉と山菜と木の実が通貨の代わり」


「白米、カップ麺、タバコ、乾電池、チョコレートがあれば村人の家に泊めてもらえる」


「江戸時代の生活を続けているので麓のスーパーまで馬車で買い物に来る」


「通信手段は狼煙と伝書鳩」


「村長の娘と結婚できるのは、槍と弓で野性の熊を仕留めた者だけ」
 
 
 そんなバカ話で日々、笑い転げており、しばしばマンガやコントで僻地の代名詞として使われる「長万部」が仲間内では桧枝岐村でした。今から思えば本当に失礼極まりない話で申し訳なく思います。
 
 時は流れて2015年の秋。
 
 仕事が行き詰り気味だったので、気分転換すべく、福島県の南会津へ。目的地は大学時代から名前だけは知っていた桧枝岐村です。東北自動車道の西那須野塩原ICを下りて、下道を走ること約1時間半、有名な尾瀬ヶ原の手前です。30年前のアホな大学生の戯言が恥ずかしくなるような美しい日本の原風景が、そのまま残っていました。
 
 昼食は「裁ちそば まる家」に行き、名物の「裁ちそば」と檜枝岐の郷土菓子「はっとう」のセットを頂きました。
 
「裁ちそば」は伸した蕎麦生地を折りたたまずに重ねて、布を裁つように切る製法が名前の由来で、檜枝岐や周辺地域独特の蕎麦です。
 
「はっとう」は蕎麦粉ともち米粉の生地を練って茹で、南会津特産の「じゅうねん(えごま)」をまぶした素朴なお菓子で、軟らかい食感と優しい甘さが絶妙でした。
 
美しい風景と美味しい蕎麦、ぜひ再訪したいです。


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