これまで1/35スケールでソ連時代の建機やトラックを販売していたロシアのレジンキットメーカー、レッドアイアンモデルズが、ソ連無人月面探査車「ルノホート1号」を発売しました。

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 鍋に車輪が付いたようなレトロな外観ですが、1970年11月にルナ17号によって月に運ばれ、人類史上初の他天体での観測活動を無線による遠隔操作で行った探査車です。当時、ニュースや科学専門誌はもちろん、小・中学生向けの学習雑誌でも大々的に取り上げられ、学校の掲示板に貼られる壁新聞でも記事になったので、50代以上の元科学少年ならば感涙アイテムでしょう。


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 パッカリと開いているザルみたいな円盤は太陽電池内蔵バッテリーを充電してモーターを駆動して走行します。月面は夜間の気温が-160℃から-170℃まで下がるため、放射性同位体ポロニウム210の崩壊熱を利用するヒーターで機械の凍結故障を防いでいました。

 ルノホート1号は、月面の「雨の海」で11ヶ月間(月の時間では11日)も観測を行い、総移動距離は10.54km、2万枚の写真と200枚のパノラマ写真、500回以上の土壌調査を行い、データを地球に送信しましたが、1971年9月に電波発信が止まって位置特定ができなくなったため、1971年10月4日に観測任務を終了しました。

その40年後の2010年4月、NASAによって再発見されました。

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 実車の全長は約2.3mなので1/35だと、さほど大きくはありません。大判エッチングを使って、あの特徴的なスポークホイールを再現するようになっており、組み立て用冶具もセットされています。