今年5月の静岡ホビーショーで発表され、とうとう、こんなアイテムまでプラモになるのかと驚くやら、喜ぶやらだったタコムのSMK多砲塔重戦車です。フィンランドで実戦投入はされているものの、実車は試作が1両のみ。しかも現存車はなし。普通に考えれば製品化は、かなり厳しめなアイテムです。

 数日前、模型店のツイートで入荷を知りましたが、あまりの暑さで模型店まで行く気力がなく、ポチりました。太陽のせいです。


イメージ 1

 
 思ったより箱は小さく、部品点数も連結式履帯を除けば少なめで、やたら部品分割された昨今の新製品を見慣れた後だと「すぐ完成しそう」と思わせてくれます。

 ロシアのフロントヴァヤ・イリューストラツィアの「労農赤軍の多砲塔戦車」(和訳本が大日本絵画から出ています)に掲載された図面を基本とし、KV重戦車の先行量産型の細部を参考に開発したようです。

 砲口はスライド金型で開けられているものの、操縦手ハッチやミッション点検ハッチ、エンジン点検ハッチも車体と一体化、副砲塔のハッチもモールド再現。ハッチが別パーツなのは主砲塔だけです。副砲塔のハッチは厚みとエッジを工夫すれば、かなり印象が変わったのに残念です。

 操縦手用装甲バイザーも前面装甲板と一体成形されていたり、溶接線のモールドも全くないなど、「派生型のない試作車をプラモ化するには、どうすればいいか?」を徹底的に考えた製品です。

 こんな試作車までプラモ化されるのですから、ある意味、すごく恵まれた時代ですが、逆の視点からすれば、もうアイテムが枯渇してるわけで…アンモナイトに例えると、末期の巻き方がぐちゃぐちゃになった新種がゾロゾロ誕生している時代なんですかね?