1936年型をさらに改良したのが1941年型戦車帽です。1936年型と基本形状は同じですが、イヤホンを収納する袋が廃止され、緩衝用パッド、金具とボタンなど細部が異なります。

 1936年型戦車帽同様、「シェレマホーン(通信装置付き保護帽)」と呼ばれ、型式も「Tsh-4」のままです。

 1936年型の緩衝用パッドは動物の毛(主に馬の尻尾)を芯にして布を巻いたものでしたが、1941年型ではゴム質の角形断面の成型品になります。

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 1936年製には黒い革製と綿布製がありましたが、私は今まで1941年型戦車帽で革製を見たことがありません。おそらく、士官用ギムナスチョルカが廃止される1941年2月の制服改正で、士官用の革製戦車帽も廃止され、布製のみだったのではないかと思います。夏用と冬用があり、夏用は裏地が吸汗性のある起毛布地で冬用は動物の毛皮でした。

 私が所有している戦車帽のボタンと止め金具は金属製で、止め金具(Dリング)は打ち抜きプレス部品です。1934年型や1936年型では金属棒を曲げ加工した止め金具を使っているので、ここは戦時中に量産するために簡略化したのかもしれません。
(続)