GUMKA工房記

模型の企画・設計と資料同人誌の販売をやっている「GUMKAミニチュア」の備忘録を兼ねたブログです。雨が降ると電車が止まるJR武蔵野線の新松戸と南流山駅の中間辺りに事務所はあります。近所に素材や塗料が揃う模型店がありません。最近、昔からやっている本屋が閉店しました。

2020年10月

 義弟の葬儀のために新潟へ行っておりました。中学生の頃に高校数学の問題を解き、高校生の姉に微積分をレクチャーするほど頭の良かった彼は、鹿児島大学医学部に進学したものの、三年生になって持病のアレルギーが悪化し、満足に授業に出られなくなった上、担当教授と折り合いが悪かったことも重なって退学します。
 一時期は予備校の講師をしていましたが結局、医師になりたいと新潟大学医学部に再入学し、卒業後は大学付属病院の医局で喘息とアレルギーの研究を続けて、7本の共著論文を提出し医学博士号を取得します。

 普段は無口で冗談も言わない性格なので、きっと患者さんを診察するよりも研究室に籠るタイプだろうと私も家内も勝手に思っていました。
 なので、通夜や葬儀の席で病院の上司や同僚の医師、看護師から「患者思いの熱心な先生だった」「現場が厳しいとき、冗談を言って空気を和ませてくれた」「先生のブラックジョークが好きでした」「患者さんに人気があった」「地域老人の健康意識を高めるため、夜間集会を発案・実行し、それは今でも継続している」などの話を聞いて、とても驚きました。

 無神論者だったので葬儀は無宗教型式で行われました。無神論者=共産主義者と思われがちですが政治には全く無関心で、義母が年に数回も伊勢神宮を参拝する熱心な崇敬者だったことが嫌でそうなってしまったようです。無神論者故、戒名も故人を偲ぶ一周忌や三回忌の法要もなく、遺族としては寂しいですが、こればかりは本人の希望なので仕方ありません。

 あるとき、奇跡の回復について話題にしたとき「本人や家族が奇跡を期待するのは当然だし否定しない」と前置きしつつ「義兄さんのいう奇跡が劇的な回復のことをいうならば、それは治療の成果が遅く出たのかもしれないし、ある治療方法で原因の一つが取り除かれた結果かもしれない」「自分は、後は神に祈るだけとか奇跡を期待という言葉は医学の敗北だと思っているので、口にしない」と語っていたので唯物論者でもあるのでしょう。

 死因は悪性リンパ腫で闘病生活は1年9ヶ月にも及びました。同僚の医師たちが全力で治療にあたってくれ、今年の夏頃には一旦は回復し、この様子なら10月に退院とまで言われましたが、ここ数週間で急激に病状が悪化しました。

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 新型コロナウイルス感染防止のため、お通夜は通夜ぶるまいもできず、葬儀の参列者を分散させるため、直前まで勤務していた総合病院でもお別れ会を開きましたが、200名以上の医師と看護師、元患者さんが彼のために集ってくれたそうです。

享年58歳は、あまりに早すぎます。


 ガッツリと牛肉を食べたかったので、秋葉原のステーキマックスへ。300gのステーキに唐揚げが付け合わせでライス、スープもセットで税込み1100円。
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 鉄板の下に着火された固形燃料があり、ステーキはレアの状態で提供され、すぐ消せばレア、しばらく置けばミディアム
→ウェルダンとなります。

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 コーラがドリンクサーバーからジョロジョロではなく、瓶で100円だったので思わず注文しました。

 赤身肉は大好きなので満足でした。また行きます。


 ロシア内戦の赤軍マークBを作る際に避けられないのが銃塔と車体正面に描かれたバンザイ赤星に馬鋤とハンマーの国籍マークです。残念ながら市販品はなく、手描きは難易度が高いので自作デカールがベストです。
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 使用色は赤と白の二色で、今は自作デカールにはインクジェットやレーザープリンターを使う方法が一般的ですが白色が印刷できないのが難点です。

 白色が印刷できるとしてモデラーに重宝されたのがALPSのマイクロドライ・プリンタでございます。大昔、1/35で八九式中戦車のレジンキットを販売したときセットしたデカールを印刷するためMD-1300を入手し、版下を仕事仲間のタヌタヌ岡田さんに作ってもらい、私はデータをもらって印刷だけやってキットにセットしておりました。
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 生産メーカーであるALPSが2010年に全機種の販売を終了し、ドライバの提供もWindows7までで止まったので諦めて封印しましたが、つい最近、サードパーティーがWindows10用ドライバとインク供給をしていることが判明。急遽、倉庫からサルベージしました。
 プリンター本体のコネクターは懐かしのSCSI。今でもSCSI-USB変換ケーブルがアマゾンで買えました。マイクロドライ・プリンタの救世主「象のエンジン」様よりWindows10用ドライバをダウンロードしてPCとプリンターを繋いで電源をオン。エラー表示も出ずプリンターは復活。PC側も、ちゃんとプリンタを認識してます。

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 密かに「勝った!」と思いましたよ。まさか令和の時代にマイクロドライ・プリンターが使えるとは感無量でした。捨てずに保管してて本当に良かったです。
 まずは試し刷りです。描きかけですが国籍マークを印刷します。操作画面がALPSと全く異なっており戸惑いますが画像を読み込ませ、印刷ボタンをクリック。
 独特の動作音の後、印刷終了。「あれ?黒一色になっているぞ?変だな?赤色じゃないぞ?よし、もう一度やり直しだ」でも2度目も3度目も黒一色です。悲しいかな、象のエンジン様のホームページを見てもカラー印刷の詳しい操作方法は記載がありません。(あるかもしれないけど、見つけられなかった)

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全然、勝ってなかったです。敗北です。終わります。


 2016年に発売した1/35 ソ連野戦炊事車KP-41が4年の歳月を経て完売しました。
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 商売抜きで完全に自分の趣味で出した製品なので一部のファン以外には売れず、案の定、長期戦となりましたが、いざ完売すると嬉しいような寂しいような不思議な気持ちです。
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 お買い求め下さった皆様、ありがとうございました。 


 今回のマークB中戦車はロシア内戦時の赤軍塗装にするつもりですが、困るのが銃塔左右と車体前面に描かれた国籍マークです。厄介なことにソ連といえば誰もが思い浮かべる御馴染みの「赤星に鎌とハンマー」ではなく、それより前の1918年から22年まで使用されていた「バンザイする赤星に馬鋤とハンマー」で別売りデカールはありません。
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 「そのデカールならTAKOMのホイペットに入っているよ」と仰るモデラーさんもいるかと思います。でも御覧のように赤星の形はバンザイをしてないイトマキヒトデだし、ハンマーは柄が長すぎて杖だし、馬鋤もクマムシやトビムシみたいで、これはちょっと…しかも必要枚数は3枚なのに2枚しかなく、どうしようもなければ検討しますが、到底、喜んで飛び付ける代物ではありません。

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仕方なく人生初のデカール自作に挑戦していますが、アナログ人間な私には、原図作成なんぞは拷問も同然。
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泣きたいです。

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