2018年まで仕事をした香港の某模型メーカーより国際宅配便が届きまして。開けてみたら、1/72の中国人民解放軍の装輪歩兵戦闘車の完成品と沢山のマスクが入っていました。
こんな車両の設計はやっていないので問い合わせたら、本当はマスクだけを送りたかったけど、荷物の内容物について正直にマスクと記載すると途中で盗まれる可能性があるから、送り状には「完成品模型」と記載し、万一、日本の税関検査で開封されたとき、トラブルにならないよう装甲車を入れたとのこと。
香港の報道で日本の状況が、あまりに悲惨だったから送ってくれたそうです。我々には香港の方が余程大変に思えますが、香港は中国本土から来る中国人はもちろん、香港人も外国人も例外なく14日間の強制隔離を行っており、日本が武漢など一部地域を除いて、今でも中国人渡航者を普通に受け入れていることが理解できないと言われました。
その件に関しては与党内でも反対している政治家がおり、私自身も疑問を感じていると返しましたが、彼らにすれば奇異に見えるのでしょうね。
どのような報道がされたのか詳しい内容は不明ですが、香港とてマスクが不足しているのに、わざわざ送ってくれたというのは、日本の方が大変だと感じたのでしょう。とてもありがたいけれども、申し訳なくもあり、複雑な気持ちです。
現在、中国政府の要請で日本への団体旅行は禁止され、日本の大使館や領事館でも新規の観光ビザ交付は激減しています。しかし、日本は、これまでに中国の富裕層向けに有効期限が3年間もしくは5年間の数次ビザを多数発給しており、これがあれば有効期限内なら、何度でも自由に日本への入国が可能です。
一例ですが沖縄の観光振興のために2011年から導入した「沖縄数次ビザ」は、最初の訪問時に沖縄に一泊しさえすれば、あとは3年間、何度でも訪日が可能で、2015年度だけで60,298名の中国人に発給されています。
今でも成田空港だけでも毎日10便程度の中国本土(香港は含まず)からの到着便があり、法務省によれば一日あたり約800名の中国人が入国しているそうです。仕事や公務の渡航者もいるでしょうけど、多くは数次ビザ保有の富裕層だと思われます。「既に国内感染が広がっている現在、今更の入国規制は無意味だ」という意見もありますが、厳しい入国制限や強制隔離を実施している国から見れば、日本は対応が甘いと言われても仕方がないかも。