GUMKA工房記

模型の企画・設計と資料同人誌の販売をやっている「GUMKAミニチュア」の備忘録を兼ねたブログです。雨が降ると電車が止まるJR武蔵野線の新松戸と南流山駅の中間辺りに事務所はあります。近所に素材や塗料が揃う模型店がありません。最近、昔からやっている本屋が閉店しました。

2019年03月

 
 3月23・24日は一泊二日で「南房総イシガメ観察会」に初参加しました。1991年から千葉県南房総にて、春と秋にイシガメの生態調査が行なわれており、2013年秋以降は「千葉県ニホンイシガメ保護対策協議会」の調査と合わせて観察会が開催されています。
 
 23日は前日までの温かな天気とはガラリと変わって、気温が10℃以下も低くなり、観察日としては条件が良くなかったものの、参加者全員が川の中に入り、イシガメを探します。
 
 天気が良ければ、陸に上がり甲羅干しをしている個体もいますが、さすがに、この日は皆無。ただベテランともなると的確に川のポイントに手を入れて大きなカメを捕獲していました。

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 私も尻尾が折れた子亀を1匹見つけました。昨年秋に孵化して幼体越冬した個体とのことで、尻尾はモクズガニの仕業ではないか?と専門家の見立てです。
 
 捕獲したカメは一匹ずつ甲長、体重を計測し、甲羅の縁に個体識別用の小さな穴を開けて、元の場所に戻します。
 
 24日は天気も回復して別のポイントへ。幼体越冬した子亀が多い場所に行きましたが、残念ながら1匹もおらず。その後、前日の川の別地点での調査を行い、捕獲・計測して放流を。気付いたら、夕方4時になっており終了。
 

 10年前は同じ場所で100匹以上も調査捕獲できて、計測が大変だったそうですが、2012年以降は激減しています。イシガメが減る原因は環境の変化や外来種に生息地を奪われるなど様々ですが、この地域では、販売目的でカメを捕まえていく「採り子」とカメを捕食するアライグマの増加とのこと。
 
 2012年頃から中国本土でペットとしてニホンイシガメの人気が高まり、2013年6月から2015年9月まで、あらゆるサイズのイシガメが約2万8千匹も正規に輸出され、密輸出も相当あったので、どれだけのイシガメが国外に持ち出されたのかわかりません。
 
 輸出されたイシガメは、きれいな個体はペットとして高値で取引され、輸送中に弱ったり、傷があったり、状態のよくないものは漢方薬や健康食品などの加工材料となります。輸出業者にカメを売るのが採り子です。車で川にやってきて、文字通り根こそぎカメを持っていきます。

 2015年12月に環境省は甲長8cm以上のイシガメが輸出禁止としましたが、まだ国内の需要はあるので、今でも採り子はカメを捕まえています。彼らは保護・調査エリアにも、おかまいなしで入り込むので、国内のペット店で、甲羅に個体識別用の穴が開けられたイシガメが、どうどうと販売されています。
 この記事を読んだ方の身近で、もしイシガメを飼いたいという人がいたら、野生で捕獲されたカメではなく、ブリーダーが殖やした飼育下繁殖個体を入手するよう勧めてあげてください。多くの飼育下繁殖個体は配合飼料で育てられており、野生個体よりもず~と飼い易いです。

 アライグマは農作物の被害も深刻ですが、カメやカエルの捕食者でもあり今回も前脚を喰い千切られた個体が何匹もいました。
 
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 モトメンテナンス誌が最終号だよと船橋のWさんから教えてもらい、慌てて本屋へ。今回、バイクブロスが刊行していたバイク雑誌が軒並み休刊になり、モトメンテ誌も右に倣え、となったそうです。

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 昔、バイクメンテ雑誌などなかった頃、イトシンこと伊東 信さんがバイク雑誌で連載していた記事を参考にエンジンやキャブレターをいじったり、塗装したりしていましたが、この体験があったからこそ、自分で修理する習慣が身に付きました。50代より上のバイク乗りなら、同じような方が多いと思います。
 
 創刊された1995年当時、この雑誌ことなど知らず、買い始めたのは偶然、書店で見つけた9号からでした。初めて見たときは、まさに目から鱗状態で、ケミカルやツールの情報は本当に重宝しました。この本から得た技も多く、ブレーキフルードを上からではなく、注射器で下から入れるなどは今では常識ですが、当時は「モトメンテ、偉い!」と思いました。
 
 ただ、徐々にショップとのタイアップ記事が増えてきて「なんだかショップ紹介誌になってきたぞ?」と違和感を感じるようになり、挙句に「自分でやるよりショップに依頼したほうが良い」「こんな面倒な作業はショップに任せよう」などと編集長が平気で書くようになり、アンタがやっている雑誌は一体、何よ?となって買わなくなりました。商業誌である以上、ショップとの関係の重要さも理解できますが、メンテ誌を名乗るからには、たとえ面倒くさい作業でも自分の手を動かす記事を掲載して欲しかったです。
 
 最終号に目を通しましたが、一時期のように過度にショップに依存せず、原点回帰して手を動かしており、変わらぬレイアウトや構成は、ああ、そうだったね、こういう雑誌だったねという妙な安心感がありましたが、もう次はないんですね。
 
 「今はメンテ雑誌を買わなくても、ネットで情報が得られる」という声も聞きます。確かにブログなど良質な記事が多いものの、中には怪しいというか、間違った情報もあるので、雑誌の存在意義はあったと思います。そいういう意味では残念でなりません。
 
 
 
 

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