某SNSで、GUMKAの名前の由来を尋ねられました。幸か不幸か、国内の取引先や雑誌社、モデラーさんなどから、メーカー名の由来や意味を尋ねられたことは、ほとんどなかったのですが、いい機会なんで説明します。
今でこそ廃れてしまいましたが、東京の江戸川区に沢山の町工場が集まるエリアがあり、その中に老店主が一人で切り盛りしている小さな塗料販売店がありました。
学生時代に電話帳広告を頼りにバイクのカウル修理用のFRP素材やタンク塗装の塗料を買いに行ったら、塗装やFRP工作のノウハウを店主が親切に教えてくれたので、模型店を始めてからも模型問屋で扱いのない道具や材料を買っていました。店主は丁寧な方で、相手が学生で塗料1缶、刷毛1本の買い物でも手書きの納品書を渡してくれます。
模型店を開店し紆余曲折あったものの、小売業だけでなく、海外からの模型輸入やデカール印刷、木型・原型製作、プラモデルの開発請負など、仕事の幅も広がった頃、海外、特に欧州に負けない水準のレジンキットメーカーを始めようと考えました。日頃、ダメ出しが多い税理士さんにこの企画を話したら、意外とあっさり「いいんじゃないですか」とOKが出て、メーカー名は、もう決まっているのか?と質問されました。これから考える、と答えると経理面から小売店とメーカーは別会計にすべきだと言い「とりあえず納品書や領収書は小売店と区別できるようにメーカー準備室とか開発業務課の名称で切ってもらってください」とアドバイスしてくれました。
数日後、老店主の塗料販売店にて、計量カップや大型スポイトを買うと、いつものように、店主が納品書を書き始めたので、税理士さんの言葉を思い出しました。
「今度、小売店とメーカーを別にするから申し訳ないけど納品書は開発業務課と書いて下さい」
知り合った頃から約15年の歳月を経て、元気だった店主もすっかり老けてしまい、耳も遠くなっていた事を忘れていました。模型店に戻った後で気付いたのですが、渡された納品書の宛名は「開発ぐむか」
店主に電話したら、自分には、そう聞こえたので、新しいメーカー名は具現化をもじって「ぐむか」なのかな?と思ったと返事され、あ~、これはイイかも… というのが、メーカー名の由来です。

冒頭で書いたとおり、国内ではメーカー名の意味や由来を尋ねられることは滅多になかったのですが、海外の方と名刺交換したり、メールのやりとりをすると、
「GUMKAとは、日本語でどういう意味だ?」
「会社名の由来は?」
かなり高い確率で質問されました。
上記のいきさつを英語で説明できるほどの語学力はないので、いろいろ考えて、まず漢字で「具夢果」と書いて見せ、
上記のいきさつを英語で説明できるほどの語学力はないので、いろいろ考えて、まず漢字で「具夢果」と書いて見せ、
「夢が具体的な形になって、やがて実を結ぶ、つまり、”Dream come true”の意味だ」
「ただ、海外では伝わり辛いので、音が似ている中国語の豪嘉を当てた」
「これも、"A lot of Happiness"の意味で縁起が良いからだ」
これで、大概は納得して頂けます。
さらに相手がロシアの方であれば、
「ロシア語では、赤軍模型化総局(GUM KA)にもなる。つまり、ソ連・ロシアアイテムを、どんどん模型化するという意味だ」
を付け加えたら完璧です(笑)
実際には、GUMKAではロシア物は、カチューシャトラックとT-34のエッチングしか出していないんですけどね。