仕事仲間の台湾人であるH3さんが、
おもしろい話を聞かせてくれました。
おもしろい話を聞かせてくれました。
H1Aの前身であるKA1の北米や日本国内での人気を知った
台湾のカワサキ代理店は最速スポーツバイクとして、
自国の富裕層にもニーズがあるのでは?と考えましたが、
当時の台湾では大型バイクの輸入は厳しく規制されていました。
台湾のカワサキ代理店は最速スポーツバイクとして、
自国の富裕層にもニーズがあるのでは?と考えましたが、
当時の台湾では大型バイクの輸入は厳しく規制されていました。
新興国の自動車生産などでも、
しばしば採用される、このノックダウン方式は、
台湾の労働力を使うため、
販売価格を抑えられるメリットもありました。
話題の大排気量スポーツバイクが
手頃な価格で買えるとあって、
当然、代理店はヒットを期待しました。
しばしば採用される、このノックダウン方式は、
台湾の労働力を使うため、
販売価格を抑えられるメリットもありました。
話題の大排気量スポーツバイクが
手頃な価格で買えるとあって、
当然、代理店はヒットを期待しました。
しかし、台湾製H1Aは散々な結果となります。
当時の台湾で、一番、人気のあったカワサキ製バイクは、
低速トルクがあって荷物が沢山運べると評判だった
ビジネスバイクの125B1でした。
まだまだバイクは仕事の道具であって、
レジャーやスポーツ用など趣味で買う人は少数でした。
低速トルクがあって荷物が沢山運べると評判だった
ビジネスバイクの125B1でした。
まだまだバイクは仕事の道具であって、
レジャーやスポーツ用など趣味で買う人は少数でした。
「500ccだから1台で、125B1の4台分も働いてくれるよ」
H1Aは高速スプリンターであって、キャリアーを付けての荷物運搬や
リアカーの牽引などの力仕事には不向きです。
リアカーの牽引などの力仕事には不向きです。
「燃費が悪い」
「排気煙が多すぎる」
「トルクがない」
「125B1の4台分には、ほど遠い」
「車両価格や排気量の割には、仕事の効率が悪過ぎる」 etc
さらに不幸なことに、ビジネスバイクとして売り込まれたので、
本来の目標であった富裕層には見向きもされず、
「役立たず」、「大飯食らい」、「音ばかりで働かない」の烙印を押されてしまい、
結局、ノックダウン生産は僅か100台で終了します。
本来の目標であった富裕層には見向きもされず、
「役立たず」、「大飯食らい」、「音ばかりで働かない」の烙印を押されてしまい、
結局、ノックダウン生産は僅か100台で終了します。
その100台も、最後は特価販売され、使い潰されたり廃車となって、
約10年間で台湾国内から全車が姿を消したそうです。
約10年間で台湾国内から全車が姿を消したそうです。
これは、台湾で生産された安価なH1Aの、
日本や北米への輸出防止策だったと言われていますが、
台湾側からの要求だったとの説もあり、真偽は不明です。
日本や北米への輸出防止策だったと言われていますが、
台湾側からの要求だったとの説もあり、真偽は不明です。
写真は、たまたま部品で残った台湾製H1Aのタンクです。
台湾製H1Aは、まだまだ謎が多いそうなので、今後の資料発掘が期待されます。