ライド・オン・タンクスでは、ざっくりと戦車帽全般について書きましたが1920~1940年代の戦車帽は、極初期のブジョノフカ型(1920年型?)、1931年型、1934年型、1936年型、1941年型の五種類がありました。
ソ連邦が建国して間もない頃の労農赤軍の戦車兵は「シェルム(ヘルメット、保護帽)」と呼ばれるブジョノフカ型の革製戦車帽を使っていました。下の写真の向かって右側は士官用の黒色、左は下士官・兵士用のカーキ色の戦車帽で、どちらも正面に赤星が付いています。
黎明期の労農赤軍らしいスタイルですが、本来の目的である頭部の保護には有効でなかったようで、1931年に緩衝用パッドを十文字配置した新しい戦車帽に切り替わります。この1931年型戦車帽は写真が極めて少ない珍品です。
実際に使ってみると1931年型戦車帽でも頭部の保護に不十分だったようで、1934年に緩衝用パッドのレイアウトを全面的に見直した戦車帽が登場します。
中央部と側面に各三本の緩衝用パッドが付いた1934年型戦車帽はイヤホンの装着ができないだけで、戦後まで続くソ連戦車帽の基本的なスタイルを既に確立しています。1936年型が登場した後も無線機を搭載していない軽戦車の戦車兵は、1934年型戦車帽を使い続けたため、情報が少なかった冷戦時代には「軽戦車用の戦車帽では?」と推測する西側の研究者もいました。
(続)
*戦車帽以外の軍装についてはアーマーモデリング誌2020年9月号を読んでください。
ソ連邦が建国して間もない頃の労農赤軍の戦車兵は「シェルム(ヘルメット、保護帽)」と呼ばれるブジョノフカ型の革製戦車帽を使っていました。下の写真の向かって右側は士官用の黒色、左は下士官・兵士用のカーキ色の戦車帽で、どちらも正面に赤星が付いています。
黎明期の労農赤軍らしいスタイルですが、本来の目的である頭部の保護には有効でなかったようで、1931年に緩衝用パッドを十文字配置した新しい戦車帽に切り替わります。この1931年型戦車帽は写真が極めて少ない珍品です。
実際に使ってみると1931年型戦車帽でも頭部の保護に不十分だったようで、1934年に緩衝用パッドのレイアウトを全面的に見直した戦車帽が登場します。
中央部と側面に各三本の緩衝用パッドが付いた1934年型戦車帽はイヤホンの装着ができないだけで、戦後まで続くソ連戦車帽の基本的なスタイルを既に確立しています。1936年型が登場した後も無線機を搭載していない軽戦車の戦車兵は、1934年型戦車帽を使い続けたため、情報が少なかった冷戦時代には「軽戦車用の戦車帽では?」と推測する西側の研究者もいました。
(続)
コメント
コメント一覧 (2)
そしてアマモデリング9月号にはズリーニィの塗装解説が!
新説を知らなかったのか、違う見解をしているのか?
グムカ・ミニチュア
が
しました
誌面では文字数や読者全員がソ連戦車兵に興味があるわけでないので全般的な内容になっており、もっと詳しく知りたいという方には物足りなかったと思います。そういう方に向けた補足記事でしたが、思った以上に反応がなかったので、こうして感想がいただけて嬉しいです。
ズリーニィの塗装図のダークアースブラウン、旧説のままでしたね。本当は黒に近い色と継続発信している本国の研究者のデアーク・タマーシュさんやムヤゼル・ペーテルさんたちは先月号と今月号を見たらガッカリでしょうね。
グムカ・ミニチュア
が
しました