今月号のアーマーモデリング誌のライド・オン・タンクスでソ連戦車兵の軍装について解説しましたが、当然のことながら文字数に限りがあったので補足です。軍装全般については敢えて書かないので、アーマーモデリング誌を読んでください。

 ソ連戦車兵用の手袋は「コジェヌィエ・ペルチャトキ・ス・クラーギ」、略して「コジェヌィエ・クラーギ(クラーギ手袋)」と呼ばれます。クラーギとは何ぞや?と露和辞書で調べると革製ゲートルとか長手袋の腕周りと書いてあるので、昔から「長い革手袋のことだろう」と漠然と思っていたのですが、今回、記事を書くにあたり、詳しいロシア人に教えてもらいました。
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 「クラーギの語源は、オランダ語のKraag(クラーク)で、もともとは襟という意味だ」「18世紀に甲冑のガントレットが手首に襟が付いたように見えたので、このように呼ばれるようになった」「ガントレットと同じ形だから、この形の手袋のこともコジェヌィエ・クラーギと呼ぶ。つまり、ガントレットグローブのことだ」

 いや~長年の精神的残尿感が解消しましたとも。御存知の方も多いと思いますが、ガントレットは剣道の籠手に相当する西洋甲冑の防具です。
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 言われてみれば、コジェヌィエ・クラーギは、バイク用のガントレットグローブと形状が同じですね。いつも身近に見ていたのに全然、繋がらなかったです。